珍しい車両「ブリヂストン グランテック」の修理を行いました。
この車両は今回が初見で「ほんとにBSがこんな大胆な車両を作っているの?」と驚きがありました。
オーナーさん情報ですと、ずっと放置していて走行歴は少ないものの
各部の錆がひどく動作しない部分が多々あるとのこと。
今回はそんな車両を復活させていきます。
ブリヂストングランテックとは
ブリヂストンサイクルから販売されていた商品で
1980年代前半に発売された商品だそうです
2017年ころにファンサイトより解説ページがあったため上部リンク貼っておきます。
約30年前の車体だそうでその頃は私はまだまだ小さな子供です。
「そりゃ記憶にないわな」
と、腑に落ちて修理に取り掛かりました笑
修理箇所の選定
今回は長期保管ということでいろいろな場所が動作不能
ワイヤー類だけでなくシフターも固着がありました。
しかもリム、スポークも錆がひどく長期的に乗ることは困難。
「一旦は乗れる形にしていき、その後不満点があれば順次交換」
との修理方針でなるべく当時物のパーツを残しつつ費用も抑えたプランで提案させていただきました。
修理ポイントは
・前後ホイールスポーク張替え
・シフターラチェット不動
・ブレーキ、シフトワイヤー不動
・タイヤ変形 サイド裂け
・チェーン固着あり
の上記5か所で決定。
前後スポーク交換
グランテックは”700cホイール”に”7Sカセットスプロケット”
”フレンチバルブ” ”ナット止め”というかなり現在では入手が困難な規格
一つ該当しそうな完組ホイールがあったものの「リム幅が微妙」「費用も高額」「リム性能は当時物のほうが良い」との判断で組替えでの作業です。
まずは36本のスポークばらします。
※Befor
結構な錆と腐食があります。
これをスポークを新品
ハブとリムは根性で磨き上げます!
※After
だいぶ当時の輝きを取り戻せたのではないでしょうか?🌟
後はこれを
こうして
こんな感じで組み上げていきます。
※完成写真撮り忘れました^^;
リアも同様に
これが
こうなります!
概ね片側2時間弱(脱着・休憩・磨き・組付け)で前後で約3時間の作業量です。
使ったスポークのデータは
・F 14番 305mm
・RL 13番 304mm RR 13番 302mm
です。(これはどのサイトにもないので貴重なデータですよ笑)
DIYで修理される方はこの長さ太さで修理してください。
また組付け方法も
・ハブが小さく隣のスポークの根元と干渉しやすい
・現在主流の6本組ではなく8本組なので組付け時の移動幅が大きいので注意と時間が必要
な点もご注意ください。
残りの修理工程
今回のグランテック修理の9割の労力はこのホイール組
残りの修理は一般作業なので写真はありません^^;
使用ツールについては、、
チェーンは摩耗がなかったためにWELDTITEのシトラスディグリーザーを利用
こいつが有能で、全く揮発性がないのでしっかりとブラシ洗浄ができて
さらに自然成分なので水で流れるという優れもの!
錆もがっつり取れて水だけで内部の錆までしっかり落ちてくれます。(表面の頑固なのはNG)
シフターにおいては内部ラチェット機構がグリス固着により作動しない状態。
交換しても良かったのだが今回は内部洗浄&グリス入れで問題なく作動したので費用削減でそのように対応しました。
完成図
車輪組など2日間で作業を分けて完成したのが以下の車体
「いやー、無事に完成してよかった笑」
専用部品壊れたら代替品ないし、ホイール組も頻発する業務ではないので(廉価車は完組交換のほうが安いため)とりあえず一安心です。
試乗でも車輪の変な挙動もなく、かっちりと走ることができました(意外と剛性高め)
ハンドル付近の錆は、、
取れませんでした。
まとめ
こんな感じでお家にある「復活させたい自転車」があればいつでもお気軽にお持ちください。
見積りまでは無料で計算させていただいております。