悠々サイクル 東広島の自転車屋

スポーツ、ママチャリ、電動自転車が得意な東広島市にある自転車屋さん

KHS F-20修理編 東広島で眠っている古い自転車もお任せください

前回書いた下記記事に続いて新たに修理依頼をいただきました。

yu-yu-cycle.hatenablog.com

 

 

修理自転車

持ち込み自転車 KHS F20-RC

アメリカの「KHS」という折り畳みの自転車で

9速時代のティアグラにカーボンフォークアルミコラム

ブルホーンハンドルとかなり作りこまれている自転車です。

 

修理方針の決定

依頼人様の情報からすると

「しばらく乗っていなかったので乗れる状態に」

とのご依頼です。

 

色々と確認を行う中で問題があったのがこのハンドル周り

ブルホーンハンドルにSTIレバーがついており純正仕様とは異なる状況

この際に乗りやすいようにフラットハンドルを希望されていました。

※ちなみにもともとの原型はこんな感じのものだったと思われます

KHS F20-RC 公式HP引用

 

懸念事項

ただしフラット化にはハンドルバーのほかにフラットバーロード用のコンポーネントを購入する必要があり費用がかなり上昇する要因となります。(概算追加費用¥10,000-15,000)

それならということでドロップハンドルならハンドルのみのポン付でインストールもでき

今風のミニベロとして利用ができるということで修理の方向性としてはその方向になりました。

 

ドロップ化にすることで

・部品購入の費用が抑えられる(工賃含め)

・コンポの年代が不揃いとなるフラットバーハンドルより

 当時物の互換性保証されているコンポのほうが動作の確実性が増す

というメリットも出てきます。

 

交換部品としては各部ワイヤーには錆び付きが全くなかったので一旦そのままとし

・ハンドル(ドロップ化 バーテープ巻き)

・チェーン(伸びはなかったためスプロケはそのまま)

・FRタイヤ(空気のない状態で保管しており変形痕が激しい為)

上記3か所で一旦行う方向です。

 

後は組付けてから走行し不具合がないかを調べます。

(初期チェックでネジのゆるみやヒンジ部分のゆるみが確認できたため、修正済み)

 

ちなみにこの手の自転車で最も困難なのがバーテープはがし

5-10年かそれ以上の年月を共に経過するとバーテープ

・樹脂のように固くなり崩れる

・金属メント設置しているところは金属と同化し剥がれない

概ね2つの問題が出てくることが多いです。

そうなってしまうと完全除去には片方30-60分は必要な場合が多いです。

 

なのでそういった意味でも乗っても乗らなくても

1-2年以内の定期的なバーテープ交換は必要であると思っています。(テープ巻きは慣れれば片側5-10分でできます)

修理開始

洗車

話はそれましたがまずは洗車を行い各部の簡単にではあるが砂ぼこりと

水垢や黒ジミを綺麗に取り除いてしまいます。

 

レバー外し

そしてSTIレバーの取り外しを行いますが上記のようにボロボロこぼれ落ちるだけで一向に捲れません。

結局これだけの面積をはがすだけで20分くらいかかりました。^^;



ケーブル類の注油

錆などはなく動作は問題ありませんが若干滑っとした感覚が残っていたので

ルブを散布して汚れを追い出すとともに新しい油でコーティングします

またケーブルをばらした際にブルホーン→ドロップになった際に変わる

ワイヤー長の調整も行い、出入り口付近のアウターのひび部分をトリミング除去してあります。

 

チェーン交換

伸びはなかったが、抵抗がすごく固まった部分もありなかなか漕げなかったのでここは

錆取りもできない為交換します。

 

 

ヘッドベアリング

ここはハンドルを外したついでに念のため確認

保管状態が良かったために頑固な錆つきはなく表面に薄っすらともらいサビがある程度

ここは交換せずにクリーナーできれいにして磨いてグリスアップしてしまいましょう!

Before

 

After

 

ついでにコラムの汚れも綺麗にします✨

 

 

タイヤ

このKHSというブランドは年式により同じ車種名でも細かく使用が異なるちょっと自転車の中でも特殊な部類です。(4年くらいのフルモデルチェンジのみならず1-2年刻み)

最初はメーカーカタログを確認し20×1.5幅のものを装着しましたがフォークに干渉してしまいました。

そこでもっと細い20×1.2幅のものをインストールした結果、干渉なく組付けが出来ました。

銘柄はPanaracerの 「ミニッツS」

made in Japanの文字が大きく主張されています!

多くのメーカーがミニベロの特殊サイズの製造が中止、納期未定となっている中

パナレーサーさんは今でも頑張って作り続けてくれている心強いメーカーさんです!

仕上げ

ここまでやれば後は全体的にワックスで塗装面を保護してやります。

今回使用したものはPURE BIKE PROTECTORです。

 

イギリス製(英国製造)のブランドで紫外線吸収剤が入っており

天然素材が原料のため旧車の塗装面にも優しい内容となっています

(環境意識の高いイギリスならではの商品)

まとめ

ドロップハンドル化まで行いましたが

当店は以上の作業で工賃¥7,000で行っていおります。

眠っている自転車がありましたらお気軽にご相談ください。